埼玉県の県制度は除去等が工事費の2/3・上限800万円で、一都三県のなかで最も手厚い水準です。ただし12市が対象外になっており、しかもその12市の区分は届出先が市になる10市の区分と一致しません。ここを混同すると申請先を間違えます。
「埼玉県民間建築物アスベスト対策事業」は平成21年度から続いている制度で、2026年度も継続しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 含有調査 | 調査費を補助。限度額は1検体あたり8万円、かつ1棟あたり25万円。対象は吹付けアスベスト/ロックウール/パーライト/バーミキュライト(吹付け塗料は対象外) |
| 除去等 | 工事費の2/3。限度額800万円(延べ面積1,000㎡未満の建築物は400万円)。含有率0.1%超が確認された吹付けアスベスト・吹付けロックウールが対象 |
| 対象建築物 | 民間建築物。除去等は延べ面積1,000㎡未満の場合、建築基準法第12条第1項の定期報告対象建築物(共同住宅・寄宿舎を除く)に限る |
| 要件 | 事業の開始前(契約前)に申請と交付決定が必要。契約後の申請は受け付けられません。含有調査・除去等とも建築物石綿含有建材調査者の関与が要件 |
| 申請先 | 埼玉県 都市整備部建築安全課 震災対策・構造指導担当 048-830-5525 |
定性分析でアスベストが検出されなかった場合、任意で行う定量分析の費用は補助対象外になります。
このほか用途別に、私立学校(学事課/除去等の補助率1/3〜)、社会福祉施設等(社会福祉課/3/4)、児童福祉施設等(こども安全課/3/4)の制度があります。施設の用途によっては、建築安全課の制度より有利な補助が使える場合があります。
県制度の対象は「次の12市を除く埼玉県内すべての区域」です。
| 市名 | |
|---|---|
| 県制度の対象外(12市) | さいたま市/川越市/熊谷市/川口市/所沢市/春日部市/狭山市/上尾市/草加市/越谷市/新座市/久喜市 |
| 届出先が市(事務移譲10市) | さいたま市/川越市/川口市/所沢市/越谷市/春日部市/熊谷市/上尾市/草加市/久喜市 |
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 分析調査事業 | 1棟につき補助対象経費以内の額、25万円を限度(実質10/10) |
| 除去等事業 | 1棟につき補助対象経費の2/3以内、600万円を限度 |
| 対象者 | 建築物の所有者または区分所有者団体の代表者。資本金3億円超または従業員300人超の会社・個人は対象外 |
| 対象の吹付け材 | 吹付けアスベスト、含有吹付けロックウール、吹付けバーミキュライト、吹付けひる石、吹付けパーライト等(外壁塗装材は対象外)。露出の有無は問わない |
| 対象事業(除去等) | 除去(耐火被覆工事を含む)、封じ込め、囲い込み、または吹付けアスベストが施工されている建築物の除却 |
| 申請期間 | 各事業年度の4月1日から11月30日まで。着手前に申請すること |
| 2026年度の状況 | 除去等事業は予算上限に達したため申請受付を終了。分析調査事業は引き続き受付中 |
| 担当 | 建設局 建築行政部 建築総務課 企画係 048-829-1539 |
さいたま市は囲い込みも除却も対象になるため、解体前提の工事でも使える点が横浜市や川崎市と大きく違います。
川口市は分析調査への補助がありません。平成30年3月31日で終了しています。除去等は補助対象経費の2/3以内・上限300万円ですが、対象材料は吹付けアスベストと吹付けロックウール(レベル1)のみで、吹付けバーミキュライト・吹付けパーライト、およびレベル2・レベル3は対象外です。市税を滞納していないこと、既に請負契約や着工をしていないことが条件です。2026年度の受付は既に終了しています。申請の提出期限はその年度の11月末日でした(建築安全課 建築調査係 048-242-6367)。
川越市は含有調査への補助のみで、除去等工事への補助は公式サイトで確認できませんでした。含有調査は費用全額・上限25万円、定性分析と定量分析が対象です。対象は延べ面積300㎡以上の民間建築物。申請前に含有調査が終了したものは対象になりません。2026年度の申請期間は4月7日から12月上旬までで、実績報告は2027年2月1日まで(建築指導課 指導担当 049-224-5974)。
所沢市と越谷市は、公式サイトでアスベストの補助制度を確認できませんでした。両市とも県制度の対象外12市に入っているため、現時点では使える補助が見当たらないことになります。
制度がない場合でも、レベル区分の判断と数量の拾い方を適正にすること、隔離範囲を必要最小限にすることで費用は変わります。他社のお見積りがあれば、内訳の妥当性をお伝えできます。
埼玉県内の制度はいずれも交付決定前の契約・着手を認めていません。
さらに、2026年度はさいたま市の除去等事業と川口市の制度がすでに受付を終了しています。予算枠は年度の早い時期に埋まる傾向があるため、次年度に工事を予定しているなら、年度が変わったらすぐ動くのが現実的です。
制度の有無・金額・申請期限は自治体ごとに違い、年度途中で受付が終わることもあります。
物件の所在地と種別を教えていただければ、使える制度をお調べしてお伝えします。