神奈川県は県の制度と市の独自制度が併存し、しかも県制度の対象は含有調査だけという構造になっています。横浜市と川崎市は独自にしっかりした制度を持っている一方、市によっては制度自体がありません。2026年8月時点の公式情報をまとめました。
「神奈川県民間建築物吹付けアスベスト等補助事業費補助金」は含有調査だけが対象で、除去工事への県の補助は確認できていません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助額 | 1棟あたり25万円が限度額。含有調査を1検体のみ行う場合の限度額は16万円 |
| 対象建築物 | 平成元年以前に建築確認を得て着工されたもので、①不特定多数が利用し延べ面積300㎡以上1,000㎡未満、または②エレベーターがある建築物(昇降路・機械室部分に限る)。かつ未調査のもの |
| 対象市町村 | 逗子市/三浦市/伊勢原市/海老名市/座間市/南足柄市/綾瀬市/葉山町/寒川町/大磯町/二宮町/中井町/大井町/松田町/山北町/開成町/箱根町/真鶴町/湯河原町/愛川町/清川村 |
| 調査者の要件 | 建築物石綿含有建材調査者が行うこと |
横浜市・川崎市・相模原市・藤沢市・平塚市など、県内の主要都市はこの21市町村に入っていません。これらの市で工事をする場合は、市の独自制度を確認する必要があります。
横浜市の「民間建築物吹付けアスベスト対策事業」は、調査が補助ではなく無料という形をとっています。市が委託した専門業者が訪問し、吹付け建材にアスベストが含まれているかどうかを市の費用負担で調査します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 含有調査 | 無料(市の費用負担で専門業者が訪問調査) |
| 除去等工事 | 費用の2/3、上限300万円(消費税は対象外)。除去工法と封じ込め工法が対象で、囲い込み工事は対象外 |
| 対象建築物 | 多数の方が利用する民間建築物(店舗・事務所・駐車場・工場・倉庫など)。共同住宅は共用部分のみ。平成18年9月30日以前に確認を受けて着工されたもの。除却予定の建築物・個人の住宅・違反建築物は除く |
| 申請タイミング | 契約前が必須。交付決定を受ける前に施工者と契約を締結し、関係法令の届出を含む事業に着手してはならないと明記 |
| 受付 | 今年度の事業予算が終了し次第、申請の受付を終了 |
| 担当 | 建築局企画部建築防災課 045-671-2928 |
川崎市は調査費が実質全額補助です。1か所調査か複数か所かで上限額が変わる点が特徴です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 含有調査 | 費用(消費税を除く)の10/10。上限は1か所調査で15万円、複数か所(増築等で建築年が異なる場合のみ対象)で25万円 |
| 除去等工事 | 費用(消費税を除く)の2/3、上限300万円 |
| 対象建築物 | 平成18年9月30日以前に建築確認を得て着工。資本金3億円以下または従業員300人以下の会社および個人が所有。除去等はさらに、多数の者が利用する建築物の共同利用部分であること、引き続き利用されること(解体予定は対象外)が条件。戸建て住宅とマンションの住戸専有部分は対象外 |
| 対象材料 | 吹付けアスベスト、アスベスト含有吹付けロックウール。除去等は露出して吹き付けられたものが対象 |
| 申請タイミング | 交付決定通知書の交付後に契約すること。交付決定前に調査・除去またはその契約を行った場合は補助されない |
| 期限 | 完了実績報告書は1月末、補助金交付請求は3月末(年度内に事業完了が必要) |
| 担当 | まちづくり局指導部建築指導課 建築安全担当 044-200-2757 |
相模原市の「個人住宅吹き付けアスベスト対策費補助」は、他市と違って個人住宅と共同住宅の共用部分が対象です。市のよくある質問ページに掲載されている限度額は、含有調査または除去工事にかかった金額の2分の1で、個人の住宅は調査10万円・除去工事30万円、共同住宅の共用部分は調査30万円・除去工事300万円です。
なお、多数の者が利用する非住宅の民間建築物向けの補助制度は、相模原市の公式サイトでは確認できませんでした。
神奈川県内では、次の順で確認するのが確実です。
いずれの制度も、建築物の築年・用途・規模・所有者の規模で対象が絞られます。横浜市と川崎市は「平成18年9月30日以前」、県制度は「平成元年以前」と基準が違うため、同じ建物でも使える制度が変わります。
制度の有無・金額・申請期限は自治体ごとに違い、年度途中で受付が終わることもあります。
物件の所在地と種別を教えていただければ、使える制度をお調べしてお伝えします。